【コラム】マインドフルネス (その1)

2019年7月5日

【マインドフルネスとは】

マインドフルネスという言葉だけが一人歩きしている今日この頃ですが、マインドフルネスとは一体どういう意味なのでしょうか。
まずは英語の意味から紐解いていきましょう。

mindful マインドフル【形容詞】
〔人が周囲のことなどに〕気を配る、意識している
《be mindful~》〜を覚えている、〜を心に留める


マインドフルとは「思いやる、意識を高く保つ、心が豊である」ということを指します。


 

これが名詞になると、
mindfulness マインドフルネス【名詞】
自分の身に今起きていることに意識を集中させて、自分の感情・思考・感覚を冷静に認識して、現実を受け入れること

になります。

ヨガには、「YOGA CHITTA VRITTI NIRODHA」(ヨガチッタブリッティニローダ)
「ヨガとは心を止めることである」
という言葉があるのですが、考えることを止めた時に「自分の身に今起きていることに意識を集中させて、自分の感情・思考・感覚を冷静に認識して、現実を受け入れること」が起こります。
その先に、明晰さを持ちながらも平静な心でいられるニュートラルさがあります。
それこそが「マインドフルネス」なんです

パーリ語(大乗仏教古典語)を研究していたイギリス人のリース・デイビッズが1900年にパーリ語の"Sati"サティをマインドフルネスと英訳したのがマインドフルネスの始まりと言われています。

サティとは、仏教用語なのですが、

日本語で「気づき」、英語では「マインドフルネス」と表現します。
中庸の状態で注意を払うことを意味し、仏教における瞑想の基礎的な技術の一つです。ここを深めると心が固定され、何事にも惑わされないニュートラルな状態になれるのです。

マインドフルネスのルーツとなり、基本となっている瞑想のひとつに「ヴィパッサナー瞑想」があります。
ヴィパッサナーとは「観察する」という意味になります。
「今この瞬間に起きていることに注意を払い観察すること」なのですが、それを呼吸を用いて行います。
仏教の瞑想に、アーナーパーナーサティ(調息)というのがあります。 吸う息と吐く息を観察し、気づいていること、、なんですが、呼吸に集中することで瞑想状態に持っていきます。そこからマインドフルな状態になっていくのです。
感情に揺らされることなく、『いまここに在る』ことを体感していくのです。

ストレスマネジメント(ストレスをコントロールする)、アンガーマネジメント(怒りをコントロールする)に効果的です。
その間、頭(脳)が休まり、「止まる」ことによって、パソコンで言うところのデフラグのように頭が整理されていきます。

今この瞬間、ここに在るということを感じることは心に豊かさをもたらしてくれるでしょう。