【コラム】ミラーワーク〜鏡の魔法〜

2022年11月11日

【 ミラーワークとは 】
ミラーワークとは、「アファメーション」などで有名になった故ルイーズ・ヘイにより世界中に広められた鏡を使った自己肯定の方法です。 その方法は、ただ鏡に映る自分に対して声かけしていくだけ、というもの。
「鏡を見ること」 
これは誰もが毎日身だしなみのためにやっていることのひとつだと思いますが、ミラーワークではさらにそこから踏み込んで、鏡に写る自分をしっかりと見つめ、自分自身に対して優しくいたわるように話しかけるのです。 自分の目を見て、自分で自分を大事に思っている、好きであると言うことを言葉にして発するのです。 自分が自分を肯定していく事、自分を愛する事は、とても大事です。
"Love yourself"  "I love me"
と英語で書いて読めば、ああなるほど!と、思いますが、 自分を愛する言葉を鏡に向かって「日本語で」自分に言うのは勇気がいるかもしれません。

【自分を好きになる言葉】
「愛してる」という言葉は、日本人(特に昭和組)には、かなり言い慣れないと思います。 相手に対しても、自分に対しても。ならば、「私は私が大好き」と言うのはどうでしょう? 誰もが本当は自分が可愛いのです。でも、それは日本ではポジティブな意味で使われていません。 日本は文化的に自慢は良くない、へり下ることを美徳としていたため、自己卑下が癖になっている場合があります。 私たちは割と自分を責めがちで、人と比べたり、、自分なんて、、、と思ってしまうことが多いでしょう。 しかし、自分が自信を好きにならなければ、自分の日々のモチベーションも落ちていくし、せっかくあなたを好きになってくれた方々もがっかりしてしまうことでしょう。 自分への扱いは、すなわち他人への扱いへ繋がります。そしてそれは自分へと返ってきます。 自分で自分をより良く扱ってあげることが出来る人はきっと他者に対しても寛容になれるでしょうし、他者を認めてあげることが出来るようになり、そうすれば他者は自ずとあなたを認めることに繋がるのです。

【 自己の捉え方の違い 】
英語では自己に関してのポジティブな単語がたくさんあります。
セルフエスティーム 自己肯定感(自尊心)
セルフアウェアネス 自己認識
セルフエバリュエーション 自己評価
セルフデベロップメント 自己能力開発
セルフコンパッション 自分を慈しむ
など、自分を肯定的に捉える用語は日常的に使われています。
鏡の中の自分を見ながら、言ってみます。
I am loved 私は愛されている
I am beautiful 私は美しい
I diserve 私は○○に値する
I forgive 私は許します
他には、自分をねぎらう言葉「よく頑張ったね」「すごいね」など、 ただ考えているのではなく、ちゃんと口に出して言うのです。 例えば、落ち込んだ日なんかには言いにくいかもしれないですが 「あなたなら大丈夫!」など、励ましてあげてください。

【 古代のミラーワーク 】
私たちは古くから鏡を使ってきた歴史があります。
エジプトでは、紀元前4000年にジプサム・セレナイトを木の枠に嵌めたものが最古の鏡と言われていますが、現存するもので古いものは紀元前2800年前に銅や錫などの合金を磨いたものになります。 中国では銅鏡を使い、それはやがて日本にも広まり卑弥呼の時代の遺物として「三角縁神獣鏡」が出土しています。 そのためなのか、日本における三種の神器のアイテムには鏡が含まれています。 アステカでは黒曜石の鏡は、神テスカポリトカの化身として、権力、魔力の象徴として使われ、この鏡のおかげで文明が発達したのです。
また、「白雪姫」や「鏡の国のアリス」などの童話にも鏡は物語内の大事なモチーフとして使われています。
"mirror"の語源はなんと"miracle"に繋がります。まさに奇跡のような鏡は、特殊な力を持ち、特別なものとして、崇められていたのですね。

【 鏡の向こうの世界 】
三面鏡を覗いてみたことがありますか?最近はすでに三面鏡が過去の産物で知らない人もいるかもしれないですが、これは合わせ鏡を作り出すことが出来ます。二面を合わせるようにすると多次元的に同じものがたくさん連続的に見えるのです。それはまさにパラレルワールドのようでもあります。そのため、あまり見てはいけないという都市伝説も。それは、鏡の何面か目に違う自分が写っているというもの。 (他の解釈もあるのですが。) 私はこの鏡の多次元世界は、カルサイトの平行四辺形や水晶のタイムリンクを思い出すのですが、それらクリスタルの世界において言いたいことというのは、この鏡の向こう側に広がるたくさんの似たような世界と近いのではないかという事でした。 今の自分の世界とパラレルワールドの自分、同じように生きていてどこか違う。 そのパラレルワールドはひとつではなく鏡の奥のように多面的に多次元に広がっており、幾重にも世界があるのかもしれません。

【 鏡の法則 】
「他人は自分の鏡」という言葉があります。
昔大ヒットした『鏡の法則』という本がありましたが、内容は、人生において自分の外側からの現象というのは私たちの心の中を映す鏡で、それら問題に思える物事の原因というのは、実は全て自分の内側にある、というものです。
『投影』という用語がありますが、人を見て好ましいものは自分の中にある自分の好きな部分であり、好ましくない場合は、自分の中にある自分の嫌いな部分である、というものです。人に自分を写しているのです。 なので、自分のことをたくさん好きになれば、自ずと他者のアラをあまり探すことも なく他者を素直に認められるようになるのです。 この法則を使い、親子関係をも癒せるといったものなのですが、ルイーズヘイのワークにも「インナーチャイルドワーク」というものがあり、自分の内にある癒やされていない子供の部分を癒していくことで関係性が改善していくのです。

【 鏡のワーク 】
私事になりますが、私は二十年ほど前にカリフォルニアでルイーズヘイ式のワークショップに参加しました。 かなりやりたくなかったのがこのミラーワークでした。当時の私は自分を好きになれなかったし、卑下していたからです。 どうにか自分を奮い立たせ、鏡を見つめ、言葉を言う。それに慣れるまでに随分時間がかかりました。 そうこうしながらミラーワークを続けたのですが、そうすると、不思議ではありますが、自分で自分を肯定したり、親が言ってくれなかったような言葉を自分にかけていく行為によって親を認めることが出来るようになった自分がいました。
割愛しますが、父親とも色々あって二十年ほど疎遠だったのですが、今はすっかり仲良しです。

ミラーワークは、朝起きた時、寝る前などのほんの1分〜5分ぐらいで出来る簡単な方法です。 是非1週間ほど続けてやってみてください。 何か自分の中に変化が見られると思います。