【コラム】The power of Obsidian

2019年3月7日

[オブシディアンは神!!]

表紙の写真、マヤ、アステカ、インカなどプレコロンビア時代(コロンブスが来る前の時代)のモチーフがターコイズで彩られた持ち手にオブシディアンの矢じりがついたワンドです。
ジャガーの神様や鳥の神様、黄金の仮面に使われたシカンの神様・・・。それらの神様がついた儀式用のナイフは「トゥミ」と呼ばれていました。

メキシコでは今でもオブシディアンを魔除けとして飾る文化があるそうです。
古代より身を守るために強力な守護力のあるオブシディアンを使ってきた歴史が長くあるのです。
 

オブシディアンは彼らの社会ではなくてはならないものであり、イコール神のような存在でした。
(オブシディアンの神は下に記載)

『邪心や悪意を跳ね除け、ネガティブなエネルギーから守り、心身のエネルギーバランスを整え、集中力が高まり潜在能力を引き出してくれる』
と信じられていました。

王はピラミッドの上からオブシディアンの鏡を太陽に反射させ、人々に向けてキラキラと光を放つのです。
古代ではそれは魔法のようだったことでしょう。

[オブシディアンナイフ]

ガラス質のオブシディアンは当時のナイフとしても使われていました。
1970年に目の手術においては医療用スチールよりもオブシディアンの刃を切れ味がシャープかつ、使用後の傷の治りが早いと発表されていますが、古代マヤ、アステカ、インカの人々は知ってか知らずか、今のような刃物がなかったからか、オブシディアンを多用していました。
実は、私もカッターの代わりで小さいオブシディアンの矢じりを使っているのですが、切れ味の悪いカッターよりも全然スパッと綺麗に切れるのでビックリしました。
それ以来カッター要らず・・・。
 

彼らは頭の手術をすでに行なっていたことで知られていますが、何で切開していたかというと、オブシディアンだったようです。
オブシディアンをドリルとして使用し、歯の手術や歯に穴を開け、翡翠やターコイズで装飾したりもしていたようで、時には歯にオブシディアンで歯を飾ったものが出土しています。

2500年前のお話です。
 

[オブシディアンの神様]

オブシディアン全盛期はアステカ時代と言われ、刃物以外にも聖なる鏡として、他にもジュエリーなどにも使われ、オブシディアンの神様「テスカポリトカ」は神々の中で最も力を持つと崇められ、この世の「生」を取り仕切っていました。
この言葉の意味は「煙を吐く鏡」で鏡はオブシディアンのことです。
この神はジャガーの化身で体の一部はオブシディアンで出来ていると言われています。

「その神性は、夜の空、夜の翼、北の方角、大地、黒耀石、敵意、不和、支配、予言、誘惑、魔術、美、戦争や争いといった幅広い概念と関連付けられている。
この神の持つ多くの別名は神性の異なる側面を示している。」(Wikipediaより)

メキシコのティオティワカンがなぜ栄えたか、それは当時の支配者達がオブシディアンの鉱山を抑え、流通網をコントロールし、手中に納めたからだと言われています。

[オブシディアンの鉱物学]

オブシディアンは、世界中で見つかっていますが、見つかるのは環太平洋火山帯の近くが最も多いのですが、それもそのはず、噴出したマグマ(ケイ素)が急激に冷え固まったガラス質ものになります。
火のエネルギーのオブシディアン、火の強さのレベルがたね火が弱ならば、火山の爆発から由来する強い強い抑えきれない強力なエネルギー。
本来はゆっくりと地下で固まって石になるはずのものがプレートがズレたり何かの作用によって急激に吹き上がってしまった・・・。
それが空気や水などの全く違う物質と出会い、冷やされて固まるとエネルギーが変化し、もう抑えきれない衝動はなくて、強いエネルギーは残しつつ美しい物質へと変容していった。
これぞ自然の錬金術であり、芸術です。(爆発だけに)
 

まるで人のようです。
大いなるエネルギーをキャンバスからはみ出しながら作品を作り出す偉大なアーティストのような・・・。
秘める強いエネルギーを「それ、違う使い方したら世の中のためになるのにね」って恩人に出会って更正してすごい人になった元ヤンみたいな・・・。
ちょっと違うけど・・・。
それゆえ、負の感情を断ち切り希望を見出すパワーストーンとも言われています。
または溢れる感情がどうしようもない時、すっと落ち着きを与えたりでクールダウン、まさに冷やし固められたり・・・。
黒鏡として使われていましたが、まさに人は写し鏡で、自分自身を見つめ直すアレコレ、きっかけになったり。
いろんな意味で儀式に使われてたんだなと思うと感慨深いものがあります・・・。

オブシディアンと南米の古代文明のお話、、でした。

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